こんにちは、コドモト代表のうえおかです。
コドモトでは、社団法人地域防災支援協会とタッグを組み、今年7月、9月、11月と三回に渡って子どものいる家庭向けの防災に関する講座やワークショップを行ってきました。
正直どうですか、防災って…。
みなさんのおうちでは、災害に対する備えって何かやっていますか?
私なんかは防災ワークショップとかをやるくらいだから、さぞかししっかりしているだろうと思われそうですが、実際そこまで完璧ではありません…。正直に言えば、防災対策が面倒です(T_T)
「みんな防災対策とかどうしてるの?」
(ずぼらな家はきっと我が家だけではないに違いない……)とひそかに思いつつ、コドモトの防災講座・ワークショップに参加された方やオンラインなどで6歳以下のお子さんのいるおうちの方を対象に防災対策に関するアンケートに答えていただきました。
乳幼児のいる家庭の防災対策に関する調査
回答募集期間:2017年7月1日〜11月20日
回答人数:68名、回答対象:0歳〜6歳の子どもがいる人
回答者居住地区:横浜市53名、横浜市以外の神奈川県内7名、東京都4名、東京神奈川以外2名、不明2名
Q1. あなたは自宅に非常用持ち出し袋を用意していますか?
防災対策といえば非常用持ち出し袋!
一番多かったのが、「用意しているが、定期的に見直しを行っていない/現在の家族の状況になっていない」という回答で64.7%。子どもが生まれる前に準備したものの、そのままという方も多いのでは。
「全く用意していない」という方も20%近くいました!
Q2. あなたは自宅で災害時のための備蓄を行っていますか?
缶詰や水など長期保存のできる食料や衛生用品などの備蓄は多くの方が行っているようです。ただし、よく見たら全部賞味期限が切れていたというのものありがちでは?
Q3. あなたは同居している家族と災害時の連絡方法を決めていますか?
災害時の連絡方法は、60%もの方が決めていませんでした!
災害用伝言ダイヤルの番号は171です。みなさん、ご存知でしたか?東日本大震災の時にはSNSでの連絡も活用されました。
災害が起こった際に助け合える隣人がいますか?
ご近所付き合いが少ないと言われる昨今ですが、意外と多くの方が助け合いのできるご近所さんがいるようです。
子どもの年齢が近い近所の方などはお互いに声をかけやすく、いざという時にも協力できそうですね。
現在のあなたの家庭の災害対策状況は総合的に見てどうですか?
満足な防災対策ができているという方はほとんどいませんでした。
上記の質問で「不足していると思う」を選んだ方は、十分な備えができない理由をお教えください。(複数選択可)
- 忙しくて災害対策に対して気が回らない 66%
- どのような対策をすればいいかわからない 45.3%
- 災害対策にかける金銭的な余裕がない 4%
忙しくてできない、いざやろうと思ってもどうしたらいいかわからない、子育て世代のそんな姿が見えるアンケート結果になりました。
以下、一件ずつの回答も「わかるわかる」という内容の多いコメントばかりでした。
- 備蓄や非常用の袋の更新など忘れがち
- 災害用リュック、家具の固定など思いつくままやっているが、全体を把握して家族と共有できていない。
- 家具の倒壊対策はしているが、マンションでの生活は対人間の交流が少ない。
- 子どもが赤ちゃんの時は一生懸命備えたが、幼児になった頃から、なんとかなるという甘い考えから備えが億劫になった
- 正直、他人事と思っている気がする
- 防災意識はあるが、実際何日分の準備が必要かわからない。
- また今度、まだ良いかなという感じでしっかりとした対策は仕切れていないままきてしまっている。
- ローリングストックをうまくできない、いつも捨てることになってもったいない、コンロを用意したいが、ボンベの保管が怖い。
- 震災後一度用意したが備蓄品の期限が切れたりしてスムーズな更新ができずにいる。
- こどもがまだ小さく日々の成長がめまぐるしく、防災時に必要なモノが日々変わるので追いつかない。
- 単に行動に移せてない。
- 家族とゆっくり話す時間がない。
- つい後回しにしてしまう。
Q7. 災害が起こった際に心配なこと、不安なことがあれば教えてください。
こちらは自由記入で回答していただいたので、内容をテーマごとに分けてみてみます。
家族と連絡が取れるか、その後合流できるか
このことについては、多くの方が心配していました。(類似回答8件)
- 出先で災害が起こった場合に、無事に家族と落ち合えるか分からない。
- 子どもの通う幼稚園が遠いこと、仕事先から徒歩ですみやかに子供のお迎えにいけるかどうかの不安
- 連絡方法をどう取るようにするかが解らないので、取り決めることができないでいる。
子どものこと
- おむつ、ミルクなど必要なものを持って子どもと共に逃げることができるか。
子どもの年齢が小さいほど、食事、衛生用品、移動についても心配の声が多く上がりました。(類似回答6件)
- 自分や子供がけがをしないためにはどうしたらいいか。
子どももですが、自分も怪我をしないようにしないと、その後の子どもとの生活がままなりません。
- 広域避難所などに避難する事になった時に多くの人が集まっている中で子供が騒いで周りに迷惑をかけてしまわないかと気になる
避難所で生活することになったらそれも大変そうです。
災害直後の安全確保と避難先について
- 逃げるべきか自宅にいるべきか。
- 最寄りの避難所がどこかわからない。
- 災害の種類や状況に合わせて避難行動を変える必要があるのかが解らない。
横浜は転入者の割合が高く、住んでいる地域の避難所がわからないなど、地元の土地勘があまりない人も少なくありません。
地震が起こったら避難所に行くイメージがありますが、しっかりしたマンションなら特に子供連れの場合家にいる方が良いケースも多いです。
家の心配、その後の生活の心配
- 家具の倒れる備えをしていないため、今後対策が必要と考える。
- 水害、火災、その後の衛生面
- 不自由な生活がいつまで続くか?
- 東京直下型地震で数ヶ月以上、インフラが復旧しないケースなど。
- 物資の不足。お水とインフラ。トイレなど…
地域防災支援協会の三平さんによると、災害後の生活で大きな問題になるのが「トイレ」と「ゴミ」だそうです。
水洗トイレが使用できない。家の中がぐちゃぐちゃになって安全確保のために片付けると大量のゴミが出る。ゴミの収集がないのでゴミは増えるばかり…と、経験がないとなかなか想像できない、災害後の現実です。
どんな準備をすればいいのか
- 外出時に災害が起こった場合、日頃、最低何を持って行動すれば良いか。
- マンションで被災した場合、どういうところに気をつけて準備すればいいかわからないこどもの食事など(特に乳児の)身の回りのモノ。
出かけている時、家にいる時、どんな時に災害が起こるかはわかりません。それぞれ「最低限の備え」に欲しいもの、知りたいですよね。
その他の心配
- 海が近いので津波がきたらだから逃げればよいか、また、移動手段は何がよいのか。いつも不安です。
- 自分の住んでいるところがどれくらい津波の危険があるのかどうか、どれくらいの蓄えが必要なのか
今回のアンケートの回答者は横浜の方が多かったので、津波の心配をする声は少なかったのですが、神奈川でも太平洋沿岸に近い方だと特に津波も心配になってきますよね。
- 両親や親戚は近くにいないので頼れる人がいない。
特に子どもがいると、平常時でも大人の手がほしいところ。ましてや大きな地震災害などが起こった時に近くに頼れる人がいないと不安ですよね。
- 犬を飼っているので一緒に避難出来るのか不安
避難所など人の多いところで一緒に生活できるか心配なのは、ペットもそうですね。
- 判断、情報収集ができるか。
東日本大震災でもその時の状況判断の良し悪しで生死を分けたケースが多々ありました。いざという時に自分や子どもを守るための正しい判断ができるでしょうか?
どうやって防災対策をする?
いかがでしたでしょうか。なかなか手が回らないことが多い防災対策ですが、ここまで読んでくださった方は、それだけでもかなり真剣に考えられたのでは?
今やろう!
面倒なことをやる時、「いつ」「何をやる」を決めておくと、少しは行動しやすくなります。
あなたの今やることをここで3つ提案します。
- 備蓄食品・長期保存水などの賞味期限を見る。
なかったり期限が切れてたら買い直す。 - 家族と災害時の連絡方法を決める。
- 3月11日に「非常用持ち出し袋」とスケジュールに書く。
Googleカレンダーなどを使っているなら毎年同じ日にスケジュール設定可能。
コドモトでは来年も引き続き、防災対策講座やワークショップを開催していく予定です。遊びに行きついでに立ち寄れるものを計画していますので、そうしたものへの参加も、億劫になりがちな防災対策の一助としてぜひご活用ください。
こちらも参考に
乳幼児のいる家庭の自宅の防災対策について。
災害時のミルクとおむつどうするか問題。
外出時の災害対策。