こんにちは、コドモト代表のウエオカです。
最近大きな地震が各地で相次いでいますね。震度5以上の地震が、6月20日大分、6月25日長野、7月1日北海道、7月2日熊本、7月11日鹿児島とわずか3週間の間に5回も起こっています。
東日本大震災からは早いもので6年が経ちました。
大きな地震が来たら怖いなあとは思いながらも、実際に災害が起こった時の備えをしっかりできていないという方は意外と多いのではないでしょうか。
そんな方のために、コドモトでは横浜市港南区、上大岡で「子どもを守るための防災対策講座」を行いました。
今回この講座には9人の参加者さんと7人の小さいお子さんが集まってくださいました。
お母さんたちが講座を聞いている間、お子さんたちは会場内のキッズスペースで見守りスタッフと遊んでいました。みんな、良い子で遊んでいてくれましたね。
災害から子どもを守ると一口に言っても、様々な状況が考えられます。
- 日中、家にお母さんと子どもだけの時
- 子どもと一緒に外出している時
- 子どもが幼稚園や保育園に行っている時
- 真夜中の寝ている時(家族はいっしょ)
その中でも今回は特に1番の、「日中、家にお母さんと子どもだけの時に地震が起きたらどうなるか」というのを、社団法人地域防災支援協会の三平洵さんを講師にお迎えして、参加者のみなさんも一緒に考えてみました。
もし大地震が起きたら自宅はどうなってしまうのか
首都圏で大地震が起こったら、電車が不通になり、たくさんの帰宅困難者が駅に滞留します。
また鉄道橋の落下や建物の崩落などにより、そこかしこで救助を必要とする状況が発生、火災も起きます。
そんな中、もし自宅にいたら家の中はどのようになるでしょうか?
参加者のみなさんにはグループごとに考えてもらいました。ブログをお読みのみなさんも、ぜひ地震後の自宅の状況を想像してみてくださいね。
家具が倒れたり、電気水道が止まったりといったことをみなさん想像されていましたが、実際のところどうでしょう?
参加者のみなさんには震度6の揺れの時の家の中の状況をビデオで見てもらいました。
想像以上の状態に、みなさんからは「わぁ」という小さな悲鳴が。
ビデオを見た後に、講師の三平さんから
「自分や子どもが怪我をするという想像をされた方はいませんでしたね」
と言われると、参加者のみなさんははっとした様子になりました。
災害後の様子はテレビなどでも見ているはずなのに、誰しも自分が怪我をするという状況は想像しないのです。
映像では震度6の地震の中、大型の本棚や食器棚などが大きく揺れて倒れる様子が映し出されていました。またオフィスでは、重いはずのコピー機が下にキャスターがついているために部屋中を走り回り、疾走する凶器と化していました。
「揺れてからでは、子どもを守る行動を取るというのは不可能なんです」
三平さんのこの言葉が重く響きます。
では、地震災害から子どもたちを守るにはどうしたら良いでしょうか。
それは、事前の対策しかないのです。
実際に室内でどのような対策が必要なのか、また災害発生後の生活のためにどのような備えが必要なのかについて講座では学んでいきました。
災害発生後の生活のための備え
災害対策というと、避難用持ち出し袋や水や食料などの準備をまず考えられる方が多いと思います。
大地震が起こったら近所の避難所に行くというイメージがありますが、都市部の分譲マンションなら地震で家が全壊・半壊するということはまず起こりません。
避難所には大勢の人がおり、そこにいたからといって物資がきちんと届くわけでもありません。子どもと一緒に多くの人が密集する中で生活するというのは非常に大変ですから、避難所には行かず自宅で生活し続けることを考える方が良いとのことでした。
講座では、
- どんな時には避難所に行くことを選択しなければならないのか。
- 自宅で生活し続けるために何を備えておけばいいのか。
- 子どものためにどんなものを準備しておけばいいか。
- 災害後にどのような問題が発生するのか。
といったことについてお話しました。
その中でも特に、赤ちゃんの災害対策に良さそうなものを、いくつか実際に持ってきてお見せしました。
赤ちゃんのための災害対策用品
みなさんは、液体ミルクというのをご存知ですか?
災害が起こると、水が貴重になり、お湯を沸かすのも難しくなります。赤ちゃんのミルクを作ろうにも、哺乳瓶を煮沸したり粉ミルクをお湯で溶いたりすることが簡単にできなくなるのです。
東日本大震災の後、多くの方が赤ちゃんのミルクに困ったことがきっかけで、海外では多くの国で売られている、お湯で溶かずにそのまま飲ませることができる液体ミルクを日本でも解禁して欲しいという動きが拡がりました。
この液体ミルク、日本では売っていないので、存在は知っていても実際に見たことがあるという人はほとんどいないのではないしょうか。
今回、講師の三平さんがこの講座のために液体ミルクをアメリカから取り寄せてくださり、みなさんと一緒に開けてみました。
今回取り寄せたのは新生児用の内容量50ml程度のもの。現地価格では一本1ドル程度。輸入すると一本3,4ドルになります。より月齢が上の子用だと230ml程度のものがあり、これは現地価格一本2ドル程度になります。
匂いを嗅いでみると、麦芽っぽい感じの甘い匂いです。色味は少し灰色がかったミルク色。粉ミルクとはちょっと違った感じです。賞味期限は2018年1月となっていました。
「このミルクをお子さんにあげたいと思いますか?」
という質問に、参加者のみなさんは「う〜ん」という微妙な反応。
価格や味の心配のほかに、数ヶ月保存できるよう作られているとなると添加物が気になるという声もありました。
ミルク用の使い捨てのボトルというものも見てみました。
蛇腹になっていて、収納時には平たい状態で携帯にも便利です。
日常使うものではなさそうですが、子育て施設や大きな商業施設などでは非常用に備蓄しておいたら良さそうです。
最後に
一時間、かなりたくさんの内容を詰め込んだ盛りだくさんの講座となりました。
ここでは一つ一つは触れていませんが、参加者のみなさんはグループで話し合うことで、ただこうした記事やテレビなどで受動的に情報を得るだけでなく、自分ごととして能動的に考えることができたのではないでしょうか。
家の防災のことを考えるきっかけになってよかった、早速家族と話し合ったり、必要なものを注文したといった声も聞くことが出来ました。
コドモトでは現在0〜6歳の乳幼児のいる家庭の防災に関する意識調査を行っています。
5分もあればできる簡単な質問ですが、これに回答することでご自宅の備えの状況を少し思い出したり、心配なところの振り返りができると思います。
ぜひご回答の上、この機会にご自宅の防災対策の見直しを行ってみてください。