コドモト ブログ

子育て情報サービス「コドモト」についてスタッフが語ります。

水で溶かずにそのまま使える「液体ミルク」ってどんな味?災害時の赤ちゃんのミルクとおむつについて考えてみました

こんにちは、コドモト代表のウエオカです。

 

「粉ミルク」は皆さん知っていると思いますが、「液体ミルク」って知っていますか?

東日本大震災の時に、赤ちゃんのミルクを作るための水が不足した際、欧米などでは一般的に売られている、水に溶かずにそのまま使える「液体ミルク」が話題になりました。

この液体ミルク、現在日本では認可されていないので、手に入れようとすると輸入するしかありません。

f:id:haguretomo:20170922104839j:plain

 

なかなか試すことができない液体ミルクを実際に見て試してみつつ、もし災害が起こったらミルクとおむつをどうすればいいだろう。

このようなテーマで、9月20日 横浜市南区地域子育て支援拠点「はぐはぐの樹」にて、「赤ちゃんの防災を考える会〜災害時に役立つ液体ミルクを試してみよう!〜」という講座を行いました。

f:id:haguretomo:20170922104400j:plain

 

粉ミルクと母乳、災害時におけるそれぞれのリスクと対策

液体ミルクが便利そう…という話はありつつも、現状では入手が難しいので今私たちは災害に対してどのような備えができるだろうかと考えてみました。

まず粉ミルクの場合、災害時には水の供給が不足したりお湯を沸かせない場合もあるので、哺乳瓶の煮沸やお湯で溶くことが難しくなります。

一方母乳の場合は、過去の大きな震災の際にはストレスなどのために母乳が出なくなったということが聞かれました。また、避難所では授乳スペースがないといった問題もあります。

 

これの備えとしては、カセットコンロとボンベを備蓄する、それから授乳ケープを避難用持ち出し袋に入れる水や粉ミルクはローリングストックをしておくといった対策が取れます。ローリングストックについてはまたあとで詳しく説明します。

 

また、便利なアイテムとして、ペットボトルや缶ボトルを簡単に暖められるおかん器というものも実際にデモを行いご紹介しました。こちらは1つ200円ほどで、ミルクの適温なら5分程度で温められました。

携帯おかん器5回分

煮沸が不要な使い捨て哺乳瓶もご紹介しました。こちらも1つ200円〜300円程度です。

Clovis Baby(クロビスベビー) 【日本正規品】 ステリボトル 消毒不要使い捨て哺乳瓶(240ml)5個入り Chu-bo(チューボ) chu-bo!  チューボ おでかけ用ほ乳ボトル 使い切りタイプ 4個入

 

母乳が出なくなる問題は、ストレスによるものと言われていますが、私の想像ではお母さんの食事量が少ないことも原因なのではないかと思います。授乳中は通常時の1.5倍くらい食べたりしますが、災害時ではそんなにたくさん食べるのは難しいのではないでしょうか。食事量が減れば母乳の量も減ります。そうならないように、大人の食料を多めにストックしておくことは、災害時において家族みんなを助けてくれるかもしれません。

液体ミルクってどんな味?

このように、粉ミルクにしても母乳にしても、災害時には様々な問題が予想されます。

こうなると、煮沸が不要でペットボトル飲料のようにあければそのままどこでも飲める液体ミルクは災害時にはかなり有用であることがわかります。

日本でも認可を求める署名活動が拡がり、政府でも検討が進められていますが、では実際にどんなものなのか試してみようということで、参加者の皆さんに試飲していただきました。

f:id:haguretomo:20170922103916j:plain

 

この液体ミルク、匂いは少し麦芽のような甘い感じで、色はやや灰色がかっています。この灰色は、長期保存に対応するための殺菌の影響とのことです。

f:id:haguretomo:20170922102839j:plain

 

参加者の中で母乳の味を試したことのある方からは「母乳に似た味」という感想をいただきました。

「手頃な価格なら使いたい」というのが今回の参加者のほぼ全員の意見でした。

乳製品アレルギーのあるお子さんがいらっしゃる方からは、アレルギー対応の製品が出ることを望まれる声が聞かれました。

日本国内でも認可され、良い製品が生まれると良いですね!

 

また、ミルクの代替として使用できるライスミルクも試飲していただきました。

福光屋 プレミアム ライスミルク 1000ml紙パック×6本入

 2種類お試し頂き、私も飲んでみましたが、麹入りの方は甘酒のような味、麹が入っていない方はお米の味に近かったです。

ライスミルクは普通の赤ちゃん用のミルクと違い、栄養バランス的にこれだけ飲ませてれば大丈夫というものではありませんが、補助的なものとして考えてみてもいいと思います。

災害時、おむつはどうする?

災害時にもしおむつが切れてしまったらということで、緊急の場合の対応としてビニール袋とタオルで作る簡易おむつをご紹介しました。

f:id:haguretomo:20170921150004p:plain

出展:東京防災

こちらの画像は東京防災から参照したものですが、東京防災には首都直下地震を想定して様々な状況に対応する方法が網羅されていて、無料でダウンロードできるのでおすすめです。

www.metro.tokyo.jp

 

この方法はあくまでも緊急措置的な方法なので、もちろん普通のおむつがあればそれに越したことはないと思います。

災害時に物資が不足してもおむつ切れを起こさないようにするためにできること、それがローリングストックです。

ローリングストックとは?

災害のための備蓄というと、乾パンや缶詰、長期保存水のような、長期に渡って保存できるものを保管しておくことをイメージするかもしれません。

そうではなく、いつも使うものを常に多めに買っておくことで、非常時に食品や水、衛生用品など必要なものがない!といった事態を防ぎます。

水や食品の他にも、赤ちゃんや小さい子のいる家庭なら、粉ミルクやレトルトの離乳食、おむつはローリングストックしておくのがおすすめです。

講座でお配りしたローリングストックのおすすめリスト以下にリンクします。A41枚で印刷できますので、どなたでもご活用ください。

docs.google.com

私としては、このローリングストック法は面倒くさがりのための防災対策。防災対策用品をわざわざ揃えたりするのは面倒でも、普段使いのものを多く買っておくなら習慣を少し変えるだけでできて良いですよ!

講座を終えて

参加者の皆さんからは、「液体ミルクが試せてよかった」「防災意識が高まった」「実際に役立ちそうな情報が聞けてよかった」といった声が頂けました。

ここまで読んでくださった機会に、おうちの防災対策について少し見直してみませんか?

コドモトでは6歳以下のお子さんのいる家庭の防災対策に関する調査を行っています。3分程度で回答できて、自宅の備えの見直しにもなりますのでぜひご協力ください。

docs.google.com

 

また、液体ミルクの実物をしばらくの間はぐはぐの樹にて展示して頂いていますので、子どもと一緒にはぐはぐの樹に行かれた方はぜひ見てみてください。

www.kodomoto.info

 

 前回、7月6日に行った講座では、より広範に子どもの防災についてお話しました。レポートを読むだけでもかなり参考になったと言って頂ける記事です。こちらもぜひどうぞ。

blog.kodomoto.info